宇宙で最も大きなブラックホール - サイズ比較 | Kurzgesagt

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転写

宇宙で最大のものはブラックホールだ

恒星や惑星と異なり

ブラックホールは物理的限界がなく無限に成長できる

だが、とても小さいものから最大のものまで

それらが形成されるには とある条件を満たす必要がある

ではブラックホールはどのように成長し 最大のものはどれほど大きいだろう

今回はブラックホールの仕組みや作り方については扱わない

過去のブラックホールや中性子星の動画で 詳しく扱ったので

興味があればどうぞ

とりあえず 今回は宇宙で最大のモノを見つけるのが目的だ

まずは本当に小さいものから始めよう

【原始ブラックホール】

このブラックホールは存在するかもしれないし しないかもしれない

もし、していれば それは原子よりも古く宇宙最古の存在かもしれない

ビッグバンの直後 猛烈なエネルギーが非常に密集していたころ

周囲より密度の高い場所には このブラックホールが形成されたかもしれない

原始ブラックホールの重さは 1兆kgとかそれくらいで

だいたい大きな山くらいだが

体積は陽子よりも小さい

原始ブラックホールは地球くらい重かったとしても 大きさはコインくらいになる

だからとても見つけにくく 実際に見つけたことはない

もし存在するなら

銀河を束ねる謎の物質、ダークマターは 原始ブラックホールなのかも

次に存在が確信できる種類のブラックホールに移ろう

【恒星ブラックホール】

ブラックホールができるには 自身が崩壊するくらい物質を圧縮する必要があり

あとは何かを投げ入れるほど大きくなる

今日では、宇宙規模の暴力的イベントのみが ブラックホールの形成条件を満たす

例えば中性子星同士の衝突や 超新星爆発などだ

ここで重さの目安として

200万×1兆×1兆kgを擁する 太陽を単位(太陽質量)としよう

既知の最小のブラックホールは重さ太陽2.7個分で

大きさは16kmとパリを囲むくらいだ

軽いブラックホールは 赤色巨星 V723Mon の伴星もいる

この星は太陽の24個分の大きさで 直径3000万kmにもなるのだが

それでもわずか17.2kmほどの ミニブラックホールに振り回されている

このいたずらっ子はとても小さく 並べて見せることもできない

最大の恒星ブラックホールの一つが M33 X-7 だ

70太陽質量を持つ青色巨星を ちびちび食べながら過ごしている

水が排水口から排出されるように 物質は回りながら吸い込まれており

摩擦熱によって熱せられた星屑は 太陽の50万倍も光り輝いている

それでも X-7 は"たった"15.65太陽質量であり

幅92kmと、コルシカ島にちょうど影を落とす くらいの大きさしかない

もっと大きくなるには周囲の星をむさぼり食べるか 他のブラックホールを取り込まなければならない

これらを検出できる技術は最近開発されたため

現在人類は多くのエキサイティングな発見をしている

例えば170億光年離れた銀河で検出された 2つの巨大なブラックホールのように

お互いがあまりに激しく回転するため

放出された重力波によるエネルギーは 天の川銀河が4400年間に放った光よりも大きかった

この新しいブラックホールは だいたいドイツくらいの大きさで

重さは142太陽質量だ

ここに奇妙なギャップがある

150太陽質量までのブラックホールは たくさん見つかるが

それより重いブラックホールは見当たらず

突如それらより途方もなく重いブラックホールが現れる

これには困惑する、なぜならブラックホールは 連続的に成長し続けると考えられるのだが

しかし連続的成長は巨大なブラックホールの形成を 説明するためには遅すぎるのも事実だ

単純に宇宙の年齢が足りないため

星やブラックホールを飲み込んだりしても こんなに大きくなれないのだ

つまり何か他のことが起きたに違いない

宇宙最大のブラックホールについて説明するためには

かつての最大の星が必要かもしれない Quasi星だ

スケール感を掴むために 現時点で最大の星と比べてみよう

我々の太陽は隣りにある砂粒のようなものだ

Quasi星がかつて 本当に実在したのか不明だが

これが巨大ブラックホールを 開発したという考えは面白い

初期の宇宙は密度がとても高かったので

Quasi星は太陽の何万倍も成長した可能性がある

その星のコアはブラックホールとなるほど 自重によって押しつぶされており

今日の自爆してしまう星とは対象的に Quasi星は危ういバランスがうまれた

重力で超巨大星が押しつぶされ ブラックホールに食べられていく

そのとき発生した熱による放射圧が 星の状態を保ったと考えられている

今日の恒星ブラックホールよりも 遥かに成長できたのは

このようにQuasi星を 高速に消費できたからかもしれない

太陽よりも数千倍も重く 幅も地球より大きく

超大質量ブラックホールの種にもなりえる

Supermassive black holes 【超大質量ブラックホール】

ようやく、宇宙の王に到達した 存在する最大の一個体だ

だいたいの銀河の中心には 超大質量ブラックホールが存在する

奴らはモンスターだ

天の川銀河にも、いて座A*という 約400万太陽質量の

超大質量ブラックホールがある

何も見えない空間をいくつかの星が漂っているため 我々はその存在を知っている

その信じがたい重さにもかかわらず 半径は太陽の17倍しかない

大きさは殆どの巨星よりも小さいが 重さは何百万倍も重い

超大質量ブラックホールは非常に重く 銀河の中心にあるため

太陽系における太陽のような存在だと 思っているかもしれない

すべてを軌道上に抑え込むアンカー

だがそれは誤解だ

太陽が太陽系において 99.86%の質量を占めるのに対し

超大質量ブラックホールは銀河の たった0.001%分の質量しかない

銀河の星々は ブラックホールの重力に縛られておらず

代わりにダークマターの 重力効果によって結びついている

超大質量ブラックホールの多くは ただの穏やかな巨人ではなく

銀河内の質量を食べている

とかげ座BL銀河の中心にあるブラックホールは 多くの物質をむさぼり食べることで

ほぼ光速まで加速された プラズマジェットを射出している

もし地球が公転していたら 太陽の115倍もの巨体を目にするだろうし

光り輝く降着円盤によって 一瞬で黒焦げにされるだろう

この時点ですでにブラックホールは 星とは比較にならないほど大きく見える

はくちょう座A銀河の中心には25億太陽質量 幅147億kmの超大質量ブラックホールがある

これはもし太陽に取って代わった場合 すべての惑星を余裕で飲み込むくらい大きい

あまりに多くの物質を飲み込むため

円盤の一部は漏斗型の磁場を形成し

吐き出されたガスは銀河にそびえ立つ 直径50万光年の電波ローブとなる

天の川銀河系2.5個分の幅だ

他には M87 銀河の超大質量ブラックホールがある

65億太陽質量をもち 初めて撮影に成功したブラックホールだ

まあ実際に撮影されたのは 影の周りで光り輝くガスだが

この暗黒の影はあまりに大きく 太陽系をすっぽり覆うほどの大きさだ

それでも、上には上がいる

【極大質量ブラックホール】

ようやく最大のブラックホール おそらく存在する最大の単一体に到達した

これらのブラックホールはあまりに多くを飲み込み 太陽の数百億倍にも成長した

その重力はクエーサーの動力源となっている 数千の銀河よりも明るい降着円盤だ

あまりに巨大なので固有の称号を得るにふさわしい 極大質量ブラックホールだ

OJ287 銀河の中心には 180億太陽質量をもつブラックホールがある

あまりにも巨大であり、いて座A*の40倍も 重いブラックホールが公転しているほどだ

想像を絶するものであり 何かと比較することすら難しい

太陽系3個をすっぽり並べて収容できる

この狂った競争を終わらせるため 王の中の王を紹介しよう

TON618 は銀河一つ分に相当する 物質を消費したブラックホールで

恒星数百兆個分の輝きは 180億光年先からでも観測できるほど

重さは驚異の660億太陽質量だ

あまりにも大きいため

事象の地平線を超えてから 特異点に到着するまで1週間もかかり

太陽系なら11個ほど並べて置ける

宇宙で最大の単一体である可能性が高いが

しかし実際には更に大きいだろう

TON618 は遠く離れているので 我々が見ている姿は100億年前のものだ

いずれにせよ、ブラックホールは恐ろしく 神秘的であり巨大だ

すべての星が死んだあとも 成長し続けるだろう

さあ、もう一度見てみよう

最小のブラックホールから 最大のものまで

今日は新しいことに挑戦します 「嘘の向こう側」とでも言いましょうか

この動画で必要だった 不正確さについて説明させてください

というのもトレーディングカードのように ブラックホールをランク付けすることはできません

どうして?まあ我々は数多くの 星をカタログ化していますが

ブラックホールについて十分な データを持っているものは数十しかありません

というのも、ブラックホールを注視することは 50年前までなかったためであり

なにより技術的には目には見えないので

その性質は、接近した星の軌道など 周囲の物質に対する

重力の影響を調べることでしか導き出せません

この効果はブラックホールの質量に依存し

ケプラーの法則から 基本的レベルでは概算できますが

これは大きな不確実性と誤差範囲をともないます

次に質量を大きさに変換する必要がありますが 新たな不確実性が生じてしまいます

例えば、質量から半径を簡単に計算するために シュワルツシルトの方程式を使いましたが

これはブラックホールが完全に丸く回転しないという 実際にはありえない前提に基づいていています

現実にはこれほどのスケールの物理学は まだ曖昧です

なので今回説明したブラックホールは 遥かに小さいか大きい可能性があります

確かなことはわかりません

様々な出典や様々な種類の値 様々な質量計算を使用し

可能な限り正確なリストを 作ることでこの問題に取り組んだつもりですが

これらは全て概要欄から確認できます

結果としてこの脚本は 専門家たちが納得できる最高のものを求めて

彼らの涙で書かれたものなのです

このやり方により大量の 内容がカットされましたが

幸いなことにそれらを 無駄にしない方法も見つけました

馬鹿馬鹿しいものから真面目なものまで ブラックホールグッズを作りました

このようにすることで 様々な角度からトピックスを探索でき

この動画が終了したあとも ブラックホールを楽しむことができるのです