最も恐ろしい寄生虫:脳を食べるアメーバ | Kurzgesagt

🎁Amazon Prime 📖Kindle Unlimited 🎧Audible Plus 🎵Amazon Music Unlimited 🌿iHerb 💰Binance

ビデオ

転写

数十億年も続いている戦争があり

武装した怪物が生まれては 生存をかけて戦っている

人類に特段の関心はなく ほとんどは比較的無害だ

免疫系が彼らの武器を 簡単に処理できる

だが、例外もある

Naegleria fowleri というアメーバは 人間の脳を食べて死に至らせ、免疫系にも対応する

劇的な見出しを飾るスターだ

この怪物が体内に侵入したら 何がおきるのか?

Naegleria fowleri はアメーバだ

核を持つ微生物であり 地球上で最小の生物の一つだ

アメーバは、細菌や他の生物を丸のみして細断する 獰猛なハンターだ

他のアメーバと同様、Naegleria fowleri は 生存のために変形できる

ほとんどの場合、Naegleria fowleri は栄養体で

小さな腕を持つグニャグニャの塊で

それが狩り、分裂し、繁栄している

本来の生息場所は淡水で 池、川、湖、温水などだが

残念ながら、居心地のいい場所には パイプ、プール、噴水、温泉などもある

適切な処置が無い場合だ

水温が高いほど 盛んに繁殖していく

だから、人間が涼しさと楽しさを求める夏は

アメーバと遭遇する可能性が 最大になるのだ

だから回避は難しく

特に温暖な地域では数百万人が 定期的に接触しており

抗体を持つ人が多数ですらあるようだ

まあ概ね問題はなく 感染せずに飲み込むことすら可能だ

アメーバに汚染された水を泳いだり潜ったりして 水が鼻の高さまでくると、事態は悪化する

湖の水一滴には何百万という ウイルス、細菌、アメーバがいるが

大した問題ではない

だが Naegleria fowleri は違う

夏の一日を楽しむ無防備な犠牲者の鼻を拡大し 何が起きるか見てみよう

第一に、アメーバは望んで あなたの鼻に入ったのではない

細菌を少し食べたいだけで トラブルは求めていないのに

あなたの免疫系に出迎えられる

困ったことに、Naegleria fowleri はなぜか 免疫系のレーダーを潜り抜けるのが非常にうまい

例えば鼻の内側は 粘膜に覆われ

含まれる化学物質は侵入者を殺すか気絶させ 免疫細胞へ警告する

だが Naegleria fowleri は特に困らない

落ち着いて景色を眺めつつ この試練に少しイラつく程度だ

もしあなたが不運なら

この微生物は 興味をかきたてるものに出会う

神経細胞だ

鼻は嗅覚神経細胞の 巨大ネットワークで満ち

外界の分子を拾い、その情報を 脳内の嗅覚中枢である嗅球に伝える

神経細胞は任務遂行のために 様々な伝達物質を出し

特定の受容体で認識して交流する

特に重要な伝達物質が アセチルコリンだ

進化上の不運により

Naegleria fowleri は偶然にも アセチルコリン受容体を持っており

その伝達物質に強く惹きつけられる 光に蛾が集まるように

嗅覚神経細胞が働くとき 脳への伝達に多量のアセチルコリンが使われ

Naegleria fowleri が 組織に侵入するのだ

伝達物質の上昇流を追うように

狂気の特攻隊員である好中球が 攻撃を始める

一対一では勝ち目はない

アメーバは大型の戦士で 強敵との戦いに馴れているので

好中球はアメーバに群がり 身体に穴をあける化学物質を吐いたり

身体の一部を切り取って 食い荒らしたりして殺す

だがアメーバの進路に変更はなく 好中球の攻撃でもたついても

嗅覚神経に沿って 目的地に向かい続ける

あなたの脳だ

このプロセスには1~9日かかり その間はたぶん、何も気づかない

しかしそれも嗅覚の中枢であり 脳の入り口である嗅球にたどり着くまでの話だ

あなたの脳は無力な犠牲者であり

魅力的なアセチルコリンを わざわざ放出している

Naegleria fowleri は大虐殺を始め 様々な攻撃分子を猛烈に放出する

分子の一部は、接触した細胞に穴を空ける小型爆弾で 破片にむしゃぶりつける

ここで、このアメーバは増殖を始め いよいよバケモノじみていく

食欲が暴走し、巨大で不気味な 口のような吸盤が1ダースほど作られる

アメーバはあなたの生きた脳にとりつき 吸い込み、嚙みちぎっていく

事態は急速にエスカレートし 死に至る病が発症する

大虐殺を受け、好中球、好酸球、ミクログリアが 何百万と感染組織に侵入する

問題は、免疫系は本来危険なもので 慎重には戦わないことだ

森の中の狼を殺すのに 森を焼き払うようなもので

脳においては最悪の発想だ

ただちに免疫系は攻撃を始める 化学兵器から直接の捕食まで、あらゆる手段でだ

好中球は自爆し 致死的な化学兵器を含むバリアを張る

壮絶な戦闘だ

Naegleria fowleri も反撃でき 多くの免疫細胞を攻撃し死滅させる

免疫系は全てを侵略者にぶつけるが 無駄に終わる

侵入者を殺せる小さなタンパク爆弾 「補体系」も容易に無効化される

超兵器のはずの抗体も ただ壊されるか飲み込まれる

侵入者を鈍らせる高熱も無意味だ

高温で繁栄しているのだから

その間もアメーバは増殖し、戦い続け あなたの脳を食い荒らしていく

悲惨な連鎖反応が生じる

戦闘モードの免疫細胞は 炎症を生じさせる

その結果、血管から大量の体液が 感染部位に流れ込む

決着が遅れるほど さらに体液が脳に流れ込んでいくのだ

ここで人間は 症状の急激な悪化を感じる

まずは漠然とした症状の 頭痛、発熱、吐き気、嘔吐から始まり

脳内の戦闘が激化すると 症状も深刻化する

混乱、集中力の欠如、疲労、発作、幻覚などだ

脳は強く膨張するが 頭蓋に囲まれ広がれないため

呼吸などを制御する脳幹が 圧迫され機能しなくなる

通常、1週間以内に 患者は死亡する

このアメーバの感染者の97%が 同じ運命をたどる

ほぼ全てのケースで 感染に気付くころには

すでに脳内は苛烈な戦闘中で 手遅れなことがほとんどだ

有効な治療法が無いばかりか

疑問がつきない点もある

淡水で生活するアメーバが 人間の免疫系に見事に対処できる理由についてだ

では、この恐るべき殺人アメーバを どれだけ警戒すべきか?

まあ、そんなに

Naegleria fowleri は明らかに極めて致死的だし 感染は真の恐怖だが

過去数十年で数百件の報告しかない

プールで感染するより 溺れる可能性の方が高い

鼻の深くに付着するだけでなく

しっかり掴まり 防御の第一線を通過する必要もある

結局、Naegleria fowleri は 悪魔でも公衆衛生上の巨大リスクでもない

ただ毎年、不幸な人々が 相手をさせられている

解明すべき点は多く

治療法を見つけるまでは

Naegleria fowleri は水たまりや池 たまにプールにいる脅威の怪物のままだ

基本的には細菌への脅威だが 極めて稀に、人間に牙をむくのだ

「あれ、あなたは誰?」

「俺だよ、お前の実存的恐怖だよ」

「ふーん、そう」

「お前の存在や、大切なもの全てに 疑念を抱かせてやろう」

「やめておくれ」

「手遅れだ!」

「この素晴らしい視覚化ポスターの数々を見ろ 宇宙スケールのやつなんて屈辱的だ」

「見ろ、宇宙がいかに大きく お前がどれだけ小さいかを!」

「学習用のシリーズも見ろ!進化の歴史など 科学の諸領域に深く潜っている!」

「自分の無知さにウンザリさせてくれるぞ」

「これを見ろ!暗闇で光るんだぞ!」

「でもね、僕はグッズが心地いいよ」

「宇宙の素晴らしさに 興奮と畏敬の念で満たされるし」

「それに学ぶのが好きだし!グッズは可愛いし!」

「ああああ!畏敬の念を抱かれたら敵わん!」

「グワー」

あなたも実存的恐怖を克服し、人生を美しくし そしてKurzgesagtを応援し

数千時間かけた動画の 無料公開を支えたいなら

紹介した商品や、素晴らしいポスターやシャツなどが 公式ショップに多数あります

動画と同じだけ 製品に愛を注いでおり

上手い方法や新たな切り口を見出し 本質を伝えながら視野を広げようとしています

ショップのご利用は このチャンネルの活動を支援する最良の方法です