世界で最も複雑な言語 | Kurzgesagt

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転写

ここを埋め尽くしてみよう 数兆粒の砂、数十億の米粒

数十万のブドウ、 数千のリンゴ 数十のスイカで

細胞の内側はこんな様子だ

数で言えば大半が水分子で 先の例えでいう砂だ

水は細胞内部に柔らかな粘性を与え

他の物質の移動を容易にする

米粒や果物に例えた物は ほぼ全てがタンパク質だ

総数にして数十億個 一万以上の種類があり

細胞の役割によって異なる

あなたの細胞はタンパク質の機械で 他の生命と同様だ

実際、脂質以外の固形部分は 骨も含めてほとんどタンパク質だ

タンパク質という非生物が 生命を生む

どんな仕組みだろう?

【生命の言語】

細胞の生存には 多くの難題をこなす必要がある

食物を取り入れ、排泄し 成長し、構造を作り

危険を逃れ 刺激に反応し

自分を複製したり…色々だ

この全てが”生命の言語”を介している

そしてこの”言語”が タンパク質なのだ

この言語の仕組みを 概説しよう

全てはアミノ酸という 小さな有機分子から始まる

”生命の言語”における アルファベットだ

21種類のアミノ酸が ”文字”となり

アミノ酸 a、アミノ酸 b、アミノ酸 c… という具合だ

アミノ酸を50個ほど並べると タンパク質になる

”生命の言語”でいうと”単語”だ

タンパク質という”単語”を並べると ”文章”が得られる

生物学的経路と呼ばれるものだ

少し単純化して例えよう 糖を分解するにも”生命の言語”が必要だ

b, r, e, a, kというアミノ酸の”文字”で breakというタンパク質の”単語”を作る

そして他のタンパク質の ”単語”とあわせ

「糖を分解する」という”文章”が 生物学的経路として作られる

実際には、この”生命の言語”は 想像を絶するほど複雑だ

言語を流暢に話すには 約8000語が必要だが

”生命の言語”では 推定20000語が存在する

また英単語は平均5文字だが 人間のタンパク質は平均375個のアミノ酸からなり

最長のタンパク質では なんと30000個以上だ

そして細胞は常に数千の段階を 実行する必要がある

”生命の言語”を話さなくなれば 死ぬことになる

さて、意識を持たない細胞が 複雑な言語をどうやって話すのか

さらに深く潜ってみよう

タンパク質の素材となる アミノ酸は21種類あり

タンパク質は数十、数百、数千の アミノ酸からなる

人間の場合、タンパク質のアミノ酸数は 平均375個であり

375個で細胞が作りうるタンパク質は 驚異の6.8×10^495通りだ

これは宇宙に存在する分子の数の 10^415倍にもなる

このタンパク質の大半は役立たずで

ランダムな文字列が ほぼ意味不明なのと同じことだ

だから、正しく話すには 言語を構成する「単語」を知る必要がある

これがDNAの役割で

長大な説明書だ

細胞のDNAをほどくと 2mほどになる

体内の全DNAを一本の糸にすると 太陽まで20往復できる長さになる

DNAの約1%が遺伝子となる

遺伝子はタンパク質の辞書であり ”生命の言語”の単語が全て載っている

だが遺伝子はタンパク質が機能するための 組み立て手順書でもある

DNAの他の領域も無意味ではなく ルール集のようなもので

”生命の言語”では文法書に相当する

いつ、どのタンパク質を作るのか

タンパク質の量、組み合わせるタンパク質 組み合わせの理由など

なるほど 文字、単語、文、辞書に文法…

もちろん、気が遠くなるほど 複雑な事柄へのたとえ話だ

現実を垣間見るため もう少し深く潜ってみよう

【タンパク質という非生物が生命を作るまで】

さて、基本を抑えたことで 非生物が生命を作る方法を学ぶ機会を得た

理解には宇宙の基本的な力である 電磁気が必要だ

アミノ酸を構成する原子の素粒子は それぞれ異なる電荷を持ち

引き合い、反発しあっている

21種類のアミノ酸は 少しずつ異なる電荷を持ち

プラスやマイナスのものがある

タンパク質を作るとき 様々なアミノ酸が鎖状につながれ

基本的に長いヒモ状になる

ここで、アミノ酸の電荷が異なるため

このヒモは自ら折り畳まれる

この折り畳みのプロセスは非常に複雑で まだ完全には理解されていないが

要するに一次元のヒモが 三次元の構造体になるのだ

タンパク質は立体的なパズルのピースで 固有の構造を持つ

タンパク質の世界では 構造が全てだ

なぜなら、タンパク質のどの部分が どのように帯電しているかで

他のタンパク質との相互作用が 決定されるからだ

電荷の異なるパズルのピースは 結合や反発が可能で

結合すれば電荷が変わり、構造が変わり 新たなタンパク質となる

新たな機能を持つ 別の道具になるのだ

これがタンパク質を 強力な存在にしている

基本的に、何でもできる

レゴのピースのようにくっつき 複雑な構造を作れるし

物質を解体できるし

エネルギーで仕事をする 複雑なマイクロマシンも作れる

おそらく最も驚異的なのが 情報の伝達だ

細胞に有毒な物質が 入った場合

結合できるタンパク質が あるかもしれず

毒素を見つけると その形状を変え

また別のタンパク質と結合でき さらに形状を変える

これがマイクロマシンを起動させ

DNAに直接結合し、解毒剤となる 特定のタンパク質の生産を命じるのだ

この相互作用の連鎖が生物学的経路であり ”生命の言語”における”文章”だ

こうして思考を介さず、タンパク質が問題を解決し 細胞の生命を救った

実際には生物学的経路は 数十~数百ステップまで及びうる

生命のメカニズムは驚異的で 畏敬の念を抱かせる

単純な非生物であるタンパク質同士が 複雑な相互作用を経て

単純でも非生物でもない 細胞を作るのだ

このどこかで 生命が生じているが

生命とは何か まだわかっていない

【単純な物質が集まり、賢くなるには】

別の例え話が必要だ アリの話をしよう

アリと細胞の 根本的な共通点がある

本当に単純だ

アリは一匹だと 無造作にうろつくが

多数のアリが集まれば 情報を交換して驚異的な働きをする

複雑な構造物を作ったり、組織化したり 幼虫を世話したり、敵を攻撃したり

個々は単純でも、集まれば より優れたものになるのだ

この現象は自然界に普遍的なもので 「創発」と呼ばれ

「構成要素には無い性質や能力を全体が持つ」 という現象を指し

体内の全てがそうなっている

細胞は化学反応が導いたタンパク質の 袋詰めだ

だが、これらタンパク質が集まり 多くの高度な行動をとる生物を形成する

細胞は意識のない機械で アリよりも単純だ

だが多くの細胞が 特殊な組織や器官系を形成する

心臓を動かす筋肉から

思考を司る脳細胞まで

自分の外側には途方もないスケールで 悠久の時間を持つ宇宙があり

自分は矮小で、何も特別でない と感じずにはいられない

だが、自分の内側を覗きこめば

途方もなく複雑で 美しい生命の言語を見出せるのだ

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ヒトの細胞の物語は Human Cell Posterへと続き

生命の最小単位である細胞の 複雑な働きに深く迫ります

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