ホメオパシーは穏やかな治療法か、無謀な詐欺か? | Kurzgesagt

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ホメオパシーは、最も議論の的となる、 しかし最もポピュラーな代替医療であろう。

反対する者もいれば、 その素晴らしい力と効果を断言する者もいる

ホメオパシーはどのように働くのだろう

今日のホメオパシーはどのように形作られ、 現代医療が学ぶべきものは何だろうか

ホメオパシー第1の原則は 「似たものが似たものを治す」である。

「治療(レメディ)」には、治療したい症状を 引き起こす物質が使われる

例えば、発熱の治療に 同じく熱症を引き起こすベラドンナを用いる

痒みに蜂の毒を混ぜたものを用いるなど

第2の原則が「ポテンタゼーション(希釈+振盪)」 という特別な法則

物質を溶かしてかき混ぜることで 治療効果を生み、高めることができるというものだ

そのため、材料をアルコールや蒸留水に溶かす

溶解液:水=1:9の割合で混ぜる

つまり10倍に希釈し振って混ぜる

これで1Xのパワーを秘めた液ができる

原料1に対し9の溶媒

ローマ数字の10を意味するXから 名づけられている

そしてこのプロセスを繰り返す

1をとり、9の純水と混ぜ、勢いよく振る これで2Xができる

これを、欲しいXの等級になるまで繰り返す。

こうしてできた「レメディ」は、 経口摂取するか

グロ-ビュリと呼ばれる砂糖と混ぜた 丸薬にして飲む

20Ⅹの場合、頭痛薬一粒を 大西洋に溶かすほどの希釈率になる

しかし、30Ⅽと呼ばれるものは、 もっと極端な希釈率となる

Cとは、原料:水=1:99を意味する

つまり、一般に売られている30Cという等級は

材料1に対し、水が10の60乗ということになる

もし、原子一粒の大きさの材料から 30Cの丸薬を作ろうとするなら

薬の直径は地球と太陽の距離と同じになる

つまり、1億5千万キロメートル

あまりに巨大すぎて、自らブラックホール化し 崩壊してしまうだろう

このため、ポテンタリゼ-ションは ホメオパシーに対する最も大きな批判の一つとなる

極端に希釈することにより、材料の効果はより強まるが

物質レベルで考えると意味がない

多くのホメオパシーのレメディは あまりに薄められており

原料の原子一つ分の量さえ残っていない

なぜ、この混合液が効果を発揮するかというと 希釈されるたびに、原料の魂のようなエッセンスが

その混合液に残るからだという

水の中に入ったものを 水は記憶するという考え方だ

しかし、もしこれが本当なら 水の中に落ちたすべてのエッセンスの記憶が

水の中に残ることになり 思いがけない影響を引き起こしかねない

水に住むものや浮かんでいるものを 考えてみると

水を一口飲むことは超高濃度の ホメオパシーカクテルを飲むことになる

では、ホメオパシーはどうやって最も成功した 代替医療になったのだろうか

18世紀において、医療は現代とは 全く違っていた

血を抜くような治療がおこなわれ 患者は治療前より悪化することがあった

そこで、ドイツの医者、ハーマネンは非侵略性の 自然治療を行いたいと思いホメオパシーを発展させた

そして、事実ホメオパシー病院はすぐに繁盛した 危害を与えなかったからだ

ハーマネンは彼の患者に厳しいルールを課した

まず、コーヒー、紅茶、アルコール、刺激物、お菓子 古いチーズ、玉ねぎ、肉を禁止

羊毛の服、座ってする仕事、風通しの悪い部屋、 暖かい部屋、乗馬

昼寝、ゲーム

自慰行為、ポルノ小説等々 他にも多くを禁じた

こうした条件下でのみ、彼の発明したホメオパシーは 効果を発揮したのだろう

もちろん、現在ではこうした彼の指導は 無視され、語られることもない

医療はこの150年で大きく変わった

人類はかつてない高いレベルでの健康を 享受してる

かつてないほど長寿であるが これは我々が発展させたツールによるところが大きい

近代的な診断、二重盲検法、 医療関係者の科学的評価

こうしたツールや無数の研究、検討の後

ホメオパシーはプラシーボ効果以上のものではないと はっきりと分かった

しかし、そうだとしても もし効果があるならばそれでよいではないか

あなたも試してみて効果があったかもしれないし

あるいは、ホメオパシーのレメディーを使って 大病を治した人を知っているだろう

そして、子供や動物にも効果があったという 多くの報告もある

こうした事例をどう理解すればよいのだろう

プラシーボ効果は厳然たる事実であり 想像上のものではない

どれだけ賢くても、逃れることはできない

もし、何かのおかげで気分が良くなると信じると そう信じることだけで望む効果を生む

そしてプラシーボ効果は伝染することも わかっている

子供や動物は両親や飼い主に依存し 彼らの感情に左右される

もし親が治療効果と症状の緩和を強く信じていたら 子供を安心させ症状が改善するだろう

動物に関しても、人が癒しているという ボディーランゲージへの強い反応が観察されている

しかし、ホメオパシーの最も強力なツールは 時間だ

我々の肉体は生存マシーンだ

病気になっても数日で勝手に治る

しかし、病気になったと思ったときに レメディを摂取すると、症状が改善し始める

そのおかげで治ったようにみえるが 実際はいずれそうなったことなのだ

ホメオパシー産業は巨大製薬業界に対する 穏やかな別の選択肢であるようふるまっている

しかし、ホメオパシー産業は 巨大製薬業界だ

利益は数十億ドルにも上る

ホメオパシー産業はロビー組織を持ち ライバルと激しく戦っている

巨額の資金がそこにある

2024年までに、世界規模で 市場は170億ドルをこえると予想されている

ホメオパシー産業は、科学的な裏付けのある 医療への不信を招き

公衆衛生に害をなすとの主張をする人もいる

ホメオパシー信仰はワクチンへの懐疑と 関連性がある

自分や子供の命が危ない時に 必要な助けを呼ぶことを躊躇しかねない

しかし、我々が見習える、見習うべき ホメオパシー成功の鍵がある

ホメオパシーにおける最初の問診は 数時間をかけることもありとても親身だ

すでに医者巡りをしてきた患者にとって

たとえ会話が治療の重要な点ではなくても

ホメオパシー治療での親身さと共感は 一般的な治療とは大きく違っている

近代医療は効果的で 毎年数百万の命を救っている

しかし、それはあまりにも組織化されたシステムだ

限られた予算のため、医者や看護師は 多くの患者の相手をしなければならない

問診は短時間で効率よく行わなければならない

診断は速やかに、治療も速やかに

こうして患者は透明人間のように感じ、恐れ そして置き去りにされたように感じる

これこそ、近代医療がホメオパシーから 学べることだ

人がまだ満足できていない部分を満たすことができる

我々は再び個人を見つめなおす時間をかけるべきだ 番号ではなく、人を見つめるのだ

しかし、共感が大事といっても 実際の治療の代わりにはなれない

想いがあれば山も動くが 砂糖水でガンは治らない

※Faith can move moutains =ことわざ 日本語なら 一心岩をも通す