もしブラックホールに落ちたらどうなるのか? | Kurzgesagt

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転写

ブラックホールは宇宙でもっとも極端な存在で

全く奇妙で複雑だ

もし中に落ちたら? というか、そもそもなんなのだろうか?

まず、空間と時間について知る必要がある

空間と時間は宇宙のための大舞台だが

空間は舞台のように固定されておらず 時間の流れ方も場所によって異なる

要は、これらは相関性があるのだ

物質は空間を曲げ 空間は物質の動き方を決める

恒星や惑星を置くと その下の空間は歪み

その小さな歪みや凹みが 重力を与えてくれるのだ

だがブラックホールは舞台を曲げるに留まらず 落とし穴となる

あまりにも大きな質量によって 宇宙のルールは変更され

“立入禁止"が形成されるのだ

多くのブラックホールは 巨大な星の死と共に生まれた

過去の中性子星の動画でも詳しく説明したが

巨星の本当に最後の瞬間

その内部は光速の1/4の速度で崩壊し

より多くの質量がまとまることで 非常に密度の高い

宇宙のルールを破壊する モノとなった

ブラックホールは重さが太陽の10倍でも 大きさはわずか60kmだ

もしブラックホールを直視しても なにも見えないだろう

その支配領域は見えない一方通行の

事象の地平線という境界で遮られている

事象の地平線は領域を囲む境界であり

侵入する者は宇宙から永遠に隔離される

ブラックホールは空間を曲げすぎて 光すら逃さない落とし穴と化している

内側の情報は全く漏れ聞こえてこないため 外観を知ることはできない

それでも観察できるのは 物質に影響を与えるからだ

太陽や惑星のように ブラックホールも物質を周回させる

多くのブラックホールの外側を 物質が円盤状に周回している

これらは信じがたいほど熱く

軌道の近いものは光速の半分ほどまで加速し

粒子同士の摩擦や衝突により 十数億℃まで加熱され

周囲を、皮肉なほど明るく照らしている

近づいたり中に入るとどうなるだろうか?

まず、宇宙一不思議な 鏡のようなものを見るだろう

ブラックホールでは物質のみでなく

強力すぎる重力により光すらも周回している

もし事象の地平線のすぐ外側に浮いていたとしたら

たとえどの方向を向いても 自分が見えるだろう

自分が発した光が ブラックホールを回り目に入るためだ

重力は時間の流れも変化させる

重力が強いほど 時間の流れも遅くなる

宇宙の加速を眺めているあなたは 観測者にはスローモーションに見える

もしブラックホールから旅立つとしたら 外は悠久の時が経っていて

愛する者もとうに亡くなった 未来への時間跳躍を体験できる

ブラックホールに近づくのは 危険なことだ

スパゲッティ化現象なる 痛ましい死が訪れる

足は頭よりブラックホールに近いため

下半身がモゲそうなほど 重力で強く引っ張られる

下降するほどに重力は強くなり 体は細く長く絞られ

最終的に細いプラズマとなり 吸い込まれて二度とお目にかかれなくなる

スパゲッティ化現象は 小さなブラックホールにのみおきる

銀河の中心にあるような 超大質量ブラックホールなら

事象の地平線を越えられるかもしれない

あなたが中に入ろうとしても 観測者はその瞬間を見ることなく

静止し消滅するのを目にする

あなたが発した最後の光は 事象の地平線からゆっくり洩れていく

一方、あなたの視点では 一部方向の光しか届かないため

虚空に包まれるように見える

暗闇に包まれ 見えるものはわずか

点のような光だけになる

事象の地平線内は 空間も時間もしっちゃかめっちゃかで

時間跳躍すら現実となり

堅牢さに 感謝するぐらいかもしれない

もし出られれば タイムパラドックスを引き起こし

宇宙が破綻してしまうかも

事象の地平線はそんなドラマから 我々を守っているのだ

ここまであなたが生存したとしても

近く確実に圧死する 未来が待っている

事象の地平線の中は時空が歪みすぎて

どの方向に前進したとしても

ブラックホールの中心に向かってしまう

どの方向に行こうとしても より中心に進むだけだ

長生きしたいと思ったら 何もしない方がいい

ブラックホールの中心には 特異点がある

事象の地平線を越えてきた全ての物質は

この無限小の点に集まっている

物質だったころの情報は一切が消え去り 永久に閉じ込められる

特異点は全てのもの等しくする

このようにクールな方法で 宇宙を壊しているのだ

詳しく知りたければ 過去に動画も作ったが

要するに、近づいたものは ブラックホール物質となり

特異点に集中するのだ

過去を忘却したブラックホールは 性質がたった3つしかない

質量、スピン、電荷だ

それ以外の全ては失われた

その点は素粒子とよく似ている

つまり宇宙に数あるブラックホールは みな同じともいえる

確かに質量や回転速度は違うが

もし特異点を展示する 博物館があれば

電子のように均一に見えるはずだ

しかしこれらの説明はあくまでも 机上で表現できる最善にすぎず

現実を正確に表してはいないだろう

現在の宇宙に関する理論 「一般相対性理論」では

これらを説明できないのだ

空間の曲率は無限大となり 密度は無限大となり

我々の理論の枠組みを越えている

特異点は表面も大きさもなく

宇宙を0で割るとエラーになるようなものだ

つまり特異点は存在しないか 全く別のものかもしれない

これらが現在知っていることの全てであり

現状最高の理論から導かれたものだ

また、この動画を含め ブラックホールの話は数学上の都合で

回転していない理論上の存在として 語られていることに留意しよう

ブラックホールは死にかけの星が 超高速回転しながら生まれたものなので

全てのブラックホールは回転しているはずだ

それも光速の90%という驚異的な速さで

つまり現実のブラックホールは 理論上よりもさらにめちゃくちゃなのだ

回転しているブラックホールの 特異点はよりワイルドだ

回転により膨らんだ点は リング状特異点と呼ぶべきものとなり

空間そのものを引きずるほどの 驚異的回転力をみせる

回転するブラックホールは どれだけ頑張っても静止できない

エルゴ球という空間を周囲につくりだす

時空の渦が押し寄せ その潮流は逆らえず

望もうと望むまいと ぐるぐる回しにされる

なるほど、では宇宙の終わりには ブラックホールはどうなるのだろう

これもまたよくわからないが 現状の理論から言えることもある

ホーキング放射だ

場の量子論によると真空の空間は 量子的な揺らぎによって沸騰している

この揺らぎは何も無いところから 物質と反物質を生み出し

ほんの一瞬存在したあと 消滅すると考えられている

ただ、事象の地平線のそばであれば

片方の粒子は吸い込まれるため 他方は消滅を免れる

こうして逃げ出した粒子が ホーキング放射だ

これら質量の元は ブラックホールによるので

悠久の時を経れば ブラックホールは放射により縮むだろう

これらはブラックホールへの落下物ではなく

質量を奪う別物なのだ

ブラックホールが縮むにつれ ホーキング放射は強力になり

最終的には核爆発のような 高エネルギーを放射し蒸発する

あとには何も残らない

しかしそれはずっと未来の話だ

太陽と同じ質量のブラックホールの寿命は 10の67乗年だ

つまり、1万×10億×10億×10億× 10億×10億×10億年かけて

0.0000001%の質量しか失われない

ほとんどのブラックホールは 太陽より重く

銀河の中心の 超大質量ブラックホールなら

その寿命は10の100乗年におよぶ

どれだけ長いことだろう

ある砂時計を想像しよう 中は宇宙の粒子1つにつき砂粒1つが入っている

100億年に1度砂粒が 1つ落ちてくる

砂が全部落ちるのを見ていても

ブラックホールの寿命は 1%も減っていないことになる

これほどのスケールの時間を理解するのに 我々の脳は役に立たない

ブラックホールを 真に理解できるようになり

中の様子がわかる日は来るのか

誰にもわからない

我々はまだ外側を見ることしかできず 内側の理解は間違っているだろう

だが、それでいい

それはまだ、やるべきことがあって

解決すべき謎や 考えるべきアイディアが残っているということ

だから人は科学をするのだ

少なくとも、最後のブラックホールが消え去る前に

それらを考える時間が あることはわかっているのだから

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