ブラックホール爆弾とブラックホール文明 | Kurzgesagt

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転写

ブラックホールは宇宙最強の 破壊的エネルギーの塊だ

近づき過ぎればあなたの エネルギーは吸い取られ

永遠に失われる

違うだろうか?

抜け道があることがわかった

宇宙の最後まで文明に エネルギーを供給する方法

あるいは宇宙最強の 爆弾を作る方法だ

どうやって?

すべてのエネルギーが取り込まれ、 光ですら逃げ出せないのでは?

その通り

だが宇宙一奇妙なものが、 実はもっと奇妙なものになる

単純な理由で

ブラックホールは 回転しているのだ

ブラックホールは なぜ回転するのか

大質量の星が死ぬ時

核が重力で潰れて ブラックホールとなる

巨大だったものがすごく 小さくなるということだ

宇宙で最も小さく なるといっていい

しかし星は回転しており、

宇宙の基本法則によれば 回転しているものは止まらない

これを角運動量と呼ぶ

角運動量は保存される

回転しているモノ が小さくなると

回転は速くなる

なので星の核が崩壊すると、

ブラックホールになる過程で 回転はどんどん速くなる

ブラックホールは想像も つかない速度で回り続ける

毎秒数百万回も 回転するものもある

回転するブラックホールは なぜ特別なのか

回転しないブラックホールと同様

回転するブラックホールにも 事象の地平線があり

核には質量の全てが凝縮した 特異点がある

特異点はふつう、無限に小さく

表面を持たない点 として描かれる

しかし点は回転 できないので

回転する特異点は 点ではありえず

かわりにリング状特異点となる

リング状特異点は厚みがゼロで 表面を持たず、

極端に速い速度で回転し

ブラックホールの 質量の全てを持つ

ブラックホールの回転は あまりに速いため

時間と空間そのものを ゆがませる

空間は文字通り 引きずり回され

新たに超奇妙な時空が 作り出される

ブラックホールを取り囲む 「エルゴ球」である

事象の地平線の内側では時空が 完全に壊れているとするなら

エルゴ球の内側では 半分だけ壊れている

エルゴ球の内側では 全てのものが意味を失う

そこに進入して離脱 することも可能だが

たぶん大した経験では ないだろう

回転しないブラックホールに 落ちることは

穴にすべり落ちるようなものだ

回転するブラックホールの エルゴ球の内側に入るのは

排水口に飲み込まれる ようなものだ

ブラックホールは自らの 回転エネルギーを

エルゴ球に進入した 物に受け渡す

リング状特異点はあなたを 激しく動かすだろう

その場に留まるためには 超光速で動く必要があるが

それは不可能だからだ

そこで抜け道である

このエネルギーを頂くのだ

かなりのエネルギーを 取り出せる

怪物からエネルギーを 取り出す方法

天の川銀河の中心にある 超大質量ブラックホールなら

銀河の個々の星が何十億年もかけて 放出するのと同等のエネルギーを

取り出すことができる

いちばん簡単な方法は

なにかをブラックホールに 落とすことだ

リング状特異点はエルゴ球に 入ったものにエネルギーを渡す

時空がぐるぐる回れば回るほど

水を賢く使えば前より 速く泳げるはずだ

実際にはロケットを送ってうまく ブラックホールとやりとりして

なにがしかの質量エネルギーを与える 見返りとして回転エネルギーをもらう

実はこれは等価交換より割がいい

ロケットを飛ばす場合

化学エネルギーを 運動エネルギーに交換する

これはプールで自力で 前進するようなものだ

エルゴ球の中を ロケットで進むのは

流れるプールで 前進するようなもので

回転エネルギーのぶんだけ 自力で飛ぶより後押しされる

ブラックホールの 回転は強力なので

エルゴ球から出る時には かなり加速されている

ブラックホールは微量の 回転エネルギーを失い

回転はごくわずかに 遅くなる

明らかにこれには多くの エサが必要になる

さいわいブラックホールは 何でも食べる

たぶん進歩した未来の文明は 小惑星を捕獲して

ブラックホールに 落とすのに使うのかも

ブラックホールからエネルギーを 取り出すもっといい方法もある

生ける者が望みうる 最大の爆弾を作る方法だ

ブラックホール爆弾

必要なのは2つ:

高速で回転するブラックホールと 大きな鏡だ

ブラックホールを 鏡で完全に覆う

ダイソン球と似ている

星全体のエネルギーを 捕獲する巨大構造物だ

でもこっちの方が 作るのは簡単だ

鏡の方が単純だし、ブラックホールは 星よりずっと小さいからだ

太陽質量のブラックホールを 10cmの厚さの鏡で覆うには

たぶん大きな小惑星の 金属で足りるだろう

鏡の設置が済んだら

あとは窓を開けて電磁波を ブラックホールに打ち込むだけだ

壁にボールを投げて、弾丸より速く 返って来るところを考えれば

あとは想像がつくだろう

電磁波はブラックホールに 光速で到達する

波のごく一部は事象の地平線に 飲まれて永遠に消えるが

大部分はエルゴ球を通るうちに

ブラックホールの回転エネルギーを 押し付けられて増幅され

超放射散乱が始まる

どういう意味かというと

“鏡とブラックホールの間を 跳ね回る間に強力になる”

跳ねるたびに指数関数的に 強力になる

十分強力になったら窓を開けて エネルギーを取り出せる

理論上は数兆年にわたって エネルギーには困らない程だ

あるいは別のことも可能だ

もし電磁波を取り出さずに いればどんどん強くなり

鏡が砕けるまでブラックホール からエネルギーを得て

巨大ブラックホールなら超新星 以上のエネルギーを解き放ち

生物が作り出す最大の 爆発となるだろう

死にゆく宇宙の 最後の安住の地

ブラックホール爆弾 ペンローズ過程

そして超放射散乱は SFではない

遠い遠い未来、死にゆく宇宙で 生き残る最後の方法かもしれない

赤色矮星がすべて冷え

白色矮星がすべて 黒色矮星に変わると

宇宙は永遠の闇となる

回転するブラックホールは

生命が獲得できる唯一の エネルギー源となる

なので宇宙最後の生き物は いつの日か

ブラックホールのまわりで 最後の日を迎えるのかもしれない

なかなかカッコイイ

つまり、光がなくても

進むべき場所は あるということだ

ブラックホールは謎めいていて 面白いけど

知るべきことも たくさんあります

数学を使って計算することで

その中に落ちるとどうなるか という理論を考えたり

もしあなたが自分で 計算したい人なら

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